悪魔の鎮魂曲15
「…ごめん。俺君のこと知らないし…何て言うか」
「…そっか、うん…。やっぱり吹雪が?」
「え?」
「あ!ううん、何でもない!…じゃあ」
彩はきびすをかえし行ってしまった。宗治は空を仰いだ。そこから放課後までは自分が何をしたのかほとんど覚えていなかった。
「昼からおかしいよ、宗治は。ハル君がマンガのこと怒ってたのに宗治は上の空だし」
吹雪は相変わらず宗治の隣を歩き話し続けていた。
「(そうだ、俺は吹雪のことずっと考えてて…)」
二人は交差点に差し掛かった。
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