悪魔の鎮魂曲14
「安部…?どうした?」
手前で固まっている女の子はとりあえず無視して、宗治は声をかけた。
「あ、あのね、この子、彩っていうの。宗治君に話があるって。聞いてあげて?」
彼女はそれだけ言うと足早に階段を駆け降りて行ってしまった。宗治は取り残された彩に目を向けた。これだけ顔を赤らめて挙動不振気味にこちらを見られたら、誰だって何の話か察しはつくだろうと宗治は思った。そして彩はようやく口を開いた。
「あ…、武田君、私……ずっとあなたが好きでした!それで…もし良かったら付き合って欲しいの」
彩は宗治を見つめた。
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