悪魔の鎮魂曲12
吹雪とは小学4年からの幼なじみだった。引っ越して来たお隣さんにあいさつに行くと親に連れられ、初めて吹雪と会った時の事は今でも鮮明に思い出せた。家が隣同士ということもあって、今までずっと一緒に登下校してきたのだ。でも、何故かこの日、宗治は一人で帰ろうとしていた。
「(そうだ…この日は確か…)」
「宗治ってば!…どうしたの?」
少し息を切らして近づきながら、吹雪が声をかけた。
「ああ、ごめん吹雪…」
そしてまた宗治は歩きだした。
「?」
吹雪は不思議そうに宗治の顔を覗き込みながら、一緒になって歩いた。
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