Knight
―8―
「帝都はあっちですけど…。」
振り返る二人の行く方と逆の方を指さして彼はすまなそうに言った。
「あ、そうなんだ…。」
クレージュはかなりあっけにとられた感じで彼をみながら笑った。
「なんや、お前やっぱ方向音痴やな…。」
かなりあきれた様子のシゲンは、隣で笑うクレージュを冷ややかな目で見た。クレージュはシゲンの態度を気にしない素振りで、帝都へ向かって歩きだした。
とにもかくにも、ようやく二人の旅は始まった。しかし、彼等を狙う悪魔の存在を二人は知る由もなかった…。
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