Knight
―5―二人は旅人に謝りながら、旅人と共に街道の側の岩で休息をとった。
「本当にすいません…ええっと…。」
すまなそうにクレージュは旅人の方を向いた。
「私の名前はハクロウと言います。ここのちょうど北にある山脈の、小さな村から帝都に用事があって旅をしてるんですよ。」
旅人は少しも怒っていないことを見せるかのように、ゆっくりとした口調で言った。
「へぇ~、奇遇ですね。俺達も帝都にちょっくら用があって向かってたとこなんですよ。」
シゲンとは逆に、開き直った感じのクレージュは逢ったばかりの旅人に気軽に話かけた。
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