Knight
―23―
一方その頃宿屋では、シゲンとレーカが並んでベットのうえに座っていたいた。二人は幼なじみとして同じ町で育ったが、シゲンが騎士団を脱退して旅にでてしまってからずっと会っていなかった。
「久しぶりだよねほんとに、三年ぶりくらいかな…。」
少しうつむき加減にシゲンを見ながら、レーカは二人の間に流れれしまった時間という壁を感じていた。シゲンも二人の間を遮る時間の壁に戸惑う様子で何も答えない。
「元気…だった?」
「…ああ…。」
三年という月日の壁を感じる二人はそれっきり黙りこんでしまった。沈黙を制した部屋には、時折に外で騒ぐ犬の鳴き声が聞こえてくるだけで、いたって静かな雰囲気をさらに強調しているようであった。
もっとも、昔の二人ならこんな風に黙りあうことはなかったはずだが…。今は昔とは違い、二人の心には過去の事件と悲しい記憶が刻まれていた。
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