Knight
―16―二人が帝都へたどり着いたときには日はすっかり落ちて、空には半分欠けた月が雲の隙間から顔をのぞかせていた。 しかし、帝国の政治の中心地である帝都では、夜にもかかわらず多くの明かりと人々が街を活気づけていた。五百年以上続く帝国の首都だけはあり、いくつもの商店や宿などがあるが、なかでも街の中心部にある白く塗られた大きな城はこの街のシンボルであり、また帝国の国王が住む古城でもあった。
二人は街の中心部より少し北にはずれた落ち着いた宿に部屋を取った。少しさびれた雰囲気の宿は、長年の歴史を感じさせていた。
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