Knight

―15―
クレージュは黒い衣装の声を昔に聞いた記憶があった…。しかし、記憶の片隅に捨てられたその声の主を、どうしても思い出せなかった…。
クレージュが生まれた街は山に囲まれた大きな街であった。 街は帝国でも一、二を争う魔法学の発達した街で、街のいたるところに魔法学関係の店が並んでいた。 そんな街で、魔導士の父と僧侶の母を持つクレージュが、賢者という魔導士系の職についたのは自然なことであった…。
しかし、街を離れた彼は、自分が卓上魔法学のみに目を奪われていたことを知り、あらゆる魔法学を知るため帝都に旅に出たのだった…。

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