Knight

―13―
黒い衣装の者とハクロウが歩き出す先に闇の霧が現れ、二人の姿を隠していく…。
「今度貴様等に会ったときは…必ず死を与えてやろう。覚悟しておくがいい…。」
闇の霧から、黒い衣装の者の声が聞こえたかと思うと霧は晴れ、周りはふたたび緑が美しい平原になっていた。
二人は今までの出来事がまるで悪夢だったかのように感じていた。 しかし、ハクロウの爪によって傷を受けた左肩の痛みによって、シゲンはこれが現実だということがようやく理解できた…。 美しく広がる平原に残された雷に打たれた木が、二人の運命に暗い陰を落としていた。

次へ
TOP