Knight

―12―
その怪しく光る眼差しに、シゲンもクレージュもただ立ち尽くすしかなかった。
「…この者…貴様達を倒す、いい操り人形になってくれそうだな…。」
黒い衣装の者は、そう言うとハクロウの方へ再び視線を移した。その言葉に反応するかのように、ハクロウは大きな両腕の爪を袖へしまいこんで倒れたシゲンを見ていた。
「ハクロウ…。」
絞り出すような声でクレージュは、シゲンからハクロウと黒い衣装の者へと振り向いた。
「一体何が目的なんだ!」
叫んだシゲンをあざ笑うかのように、黒い衣装の者は不敵な笑みで歩きだす…。

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