Knight

―10―
稲妻が落ちた木は黒く焦げ、側には黒い衣装を着た者が立っている。
視界が回復しつつあるシゲンは、ただならぬその者の気配を感じ剣を構えた。が、構えたと同時に何者かによって剣ははじきとばされた。
一瞬の出来事に驚くシゲンに襲いかかる大きな爪が、彼をその場から突き倒す。そして、もう片方の爪が倒れたシゲンの胸元へ向けて襲いかかろうとしている。 しかし一瞬早く、クレージュの杖から電撃が爪をもつ者に放たれた。
「ぐあああっ!」
クレージュの魔法に不意うちを食らった、ハクロウはその場から突き飛ばされ倒れ込んだ。

次へ
TOP