白虎伝☆風の湖畔
湖岸に見える村の明かりを
ただ眺めながら私は気付く
切なき想いを伝えられぬことに
悲しき真実が二人の距離をまた遠くする
すぐ近くに君を感じるのに
勇気を持てない私がいる
君のためにここまで来たのに
もう迷わないと決めたはずなのに
夜風は優しく湖を舞い踊り
私の毛皮を波立たせた
君に会うことが
本当に君を救うのか
迷う私に風は答えを教えてくれない
美しい君よ私をまだ待ってくれているだろうか
突風が駆け抜け私を後押しした
希望は不安の裏返し
月の満ち欠けによく似ていた
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