記憶
―9―
「よぉ、浅木!まぁた遅刻かよ。」
と一人の男子生徒が、廊下を走ってきた少年に言った。
「ま、まだ遅刻じゃねぇよ。」
と息を切らし、教室に飛込んできたのはさっきのカメラを持った少年であった。
「あれ…?先生まだなんか?」
たいていホームルーム中にギリギリで駆け込んでくる浅木は、まだクラスに先生が来ていないことを不思議に思った。
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