記憶
―6―
「あの、先生。」
「ん?なんだね。」
「……昔、ここに松原 那智という生徒がいたことを覚えていますか?」
「……!!?君ー…。」
あきらかに動揺した顔で、校長は一瞬目をそらした。
「君、その名前をどこで…?彼のことを知っているのか?」
森若は落ち着かなくなった校長を見て
「・・・いえ、ちょっと聞いてみただけです。…なんでもありません。」
と言い、これから毎日勉強していく教室へ向かった。
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