記憶
―7―
(彼はこの学校の過去の事件を知っているのだろうか。)
廊下で一人、動揺しながらつっ立っている校長に、英語担任の神山が声をかけた。
「校長、どうかいたしましたか?」
小柄で黒縁メガネをかけた彼女は、けっこう昔からこの学校で教師をしている。
「あ、神山先生…いえ…。」

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