記憶
―27―
森若は制服についた砂ぼこりを落としながら
「よってたかって一人をいじめるなんて卑怯な奴等だな、どうせ一人じゃ何も出来ねぇくせによ。」
と一人一人の顔をみながら言った。「貴様っっ…!!」片瀬の後ろで座っていた他の生徒達も立ち上がった。そのとき
「やめなよ君達」新校舎と旧校舎を繋いだ外道から透き通るような少年の声がした。
「秋……。」
片瀬は握っていた拳を下ろし、その少年から視線をはずす。
立ち上がった生徒達も再び元の場所に座った。
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