記憶
―19―
学校が終わって、森若と浅木は写真部の部室に向かっていた。すると窓の向こうに旧校舎が見えた。
「ねぇ。あの旧校舎、入れんの?」
「あぁ、入り口は塞がれてるけど…悪戯する奴等がいて窓とか割られてるから、簡単に入れるよ。」
「ふーん。」
「・・・お前、入るなんてバカなこと考えんなよ。あそこ、けっこう行方不明者が出てるし…。」
「…」
それを聞いた森若は、少し重苦しい表情をした。

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