暗躍の蝙蝠
―54―
「これはムンドの世界の道具を進化させたもの。いわば魔法と化学を合体させたようなものです。あの丸い球状の水晶を見ていてください。」
アルバに言われるがままその水晶を見ることにした。
その水晶は来た時は透き通るほど無色透明だったが、スペリスが入った瞬間、真っ黒な水晶になった。
しばらくアルバは椅子に腰掛け、なにやらカタカタと小さなボタンを一生懸命打っている。とりあえず二人は何か変化が現れるまでジッとアルバの様子を見ていたが、まったく何も反応せず虚しくカタカタとボタンを押す音が響いていた。
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