暗躍の蝙蝠

―55―
「いつになったら…。」

何度いっても状況が変化せず時間だけが流れてく。
さすがにアルバも何も反応しない機械に少し諦めかけた。…が突然部屋のなかの空気が変わった。
「アルバ見っけ!!遊ぼー♪」
よがんだ空間から突然、真っ白な髪に真っ赤な服を着た子供がアルバに向かって抱きついてきた。どうやら彼女はアルバを探していたらしい。
「…?あれは…」
初めて会ったアデルは少女のことをアルに尋ねた。
「あ?あぁ…あれはアルバのペットのトレインだ。」
「えっ?」
アデルは声を裏返し、もう一度尋ねた。


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