暗躍の蝙蝠

―44―
「アル様…。どうなされますか?あの魔物は近付く者すべて噛み砕くようですし…。」
後から付いてきたアルバはアルに助言する。
しかし、彼はそんな助言は聞く耳持たず、さっさとその番犬の目の前に向かった。
当然のごとく番犬ケロベロスは向かってくる敵に威嚇の態度を見せ付ける。
「アルバ。置いてくぞ!!」
しかし彼は威嚇にも反応しない。
ついにその獣は彼めがけて前足の鋭い爪を空高く振り上げた。


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