暗躍の蝙蝠
―39―
起きろといわれても、どう自分は今まで起きていたのかわからない。
記憶にあるのは眠る前と目覚めた後……。
「まだ寝てるのか?アデリーヌに逢えなくなるぞ」
アデリーヌ!?その一言でスペリスは目をかっと見開いた。
……薄暗い天井、高級感漂う部屋の雰囲気、
「起きたようだな……」
ベットの上から覗き込むようにアルがいる。
部屋の奥にはアデリーヌを連れ去ったあの男が壁にもたれパラパラと本をめくっていた。
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