暗躍の蝙蝠
―35―しかしその槍は三人のところへ来ることもなく、空で止まった状態でピクリとも動かない。
「……ったく……一般市民の考え方は……」
アルは呆れながらも腕を目とほぼ同じ高さに上げた。
「……俺は化物扱いされるのが嫌いだ……」
空中で止まっているはずの槍がクルリと向きを変えた。
「……それに…一般庶民に退治される、アル様ではないわ!!!」
向きを変えた槍は矢の先から炎を出し、町の人間めがけて飛んだ。
炎はあたり一面に勢い良く燃え広がり人間達はすぐに屋敷の外に飛び出していった。
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