暗躍の蝙蝠
―29―アルは上体を無理矢理に曲げ、向かってきた両腕をガシッと掴んだ同時に背中から大きな真っ黒な翼を生やした。
「よくも俺をさんざん走り回せたな…」
彼は大きく翼を動かし、彼女共々空に浮いた。
「な、何をする!!!離せ!!!」
彼女は彼から離れようと必死で抵抗するがなかなか離れることが出来ない。
アルはそのままアデリーヌを掴んだまま部屋の床に勢い良く叩きつけた。
「クッ!!」
彼女は落とされた衝撃で立つことが出来ない。
「アデリーヌ。おまえは本来ここに居るべき人間ではないだろう…」
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