Death
―98―
しかしここは酒場。
酔った人間の集まる場所のためまともに聞いてる人はいなかった。
風はお酒の匂いと酔った人間の相手フラフラになってアマトがいるテーブルまで戻ってきた。
「ア〜マ〜ト。駄目だった。逆におじさん達に絡まれて大変だったよ」
「やっぱ駄目だったかぁ」
風が聞きにいっている間にアマトは料理を頼んで先食べていた。
風もそのアマトがおいしそうに食べている姿を見てつい食べたくなってしまい二人は夕食ついでに食べ始めた。二人はここ2、3日旅の保存食しか食べてなく、久しぶりのまともな食事に満足していた
二人は食事をすべてたいらげて満足していると、二人の前に少年が現われた。
「ここにいたのか?さっき白狼軍の屋敷の前でもめてただろう?」
少年はどうやらあの屋敷の前で二人が番人ともめていたのを一部始終見ていたらしい。
「俺は一応用心棒のオンハだ。あんた達なんか悩みがあるだろう?報酬さえくれれば何でもやるぜ」
二人の前に現われた用心棒のオンハ。風より年下で背は低く、体に似合わない大きな剣を背中に背負っていた。
「ここは用心棒の癖に自らお客に宣伝するのか?」
アマトはオンハの態度が気にいらないらしく反感した態度で接した。
「普通はしないけど…あ、ほら…お姫さまの付き添い一人だと心細いだろう?頼む金がどうしても必要なんだ。人助けだと思って…だだで貰おうと思ってないからさぁ…な?いいだろう?」
オンハはちらっと風のほうを見て、何としても仕事を手に入れようとした。
「オンハって何でも出来るの?あの白狼軍の中入ろうと思うんだけど…。」
風はアマトが拒否しているにもかかわらずオンハに質問した。




次へ
TOP