Death
―94―
「な!!」
突然のことに三人は驚きを隠せない。
「どういうことだ!スペリス何があった!!」
アマトはスペリスに問い掛ける。
「わかりません、今までいろいろな人間に実験を試みて見たのですが、こんなことは
在りませんでした。やはり死神は特別な存在なのかもしれません。」
スペリスは冷静に物を判断する。別のところで死神の心を操作するアルやトレインが
連絡してくるとわかっていたから冷静になれるのだろう。
「特別?どういうこと?何を基準に特別なの?」
風はスペリスの言葉に敏感に反応する。
「今は教えられません。」
「なんで教えてくれないの!死神についていろいろ知りたいの!アマトもそう思うで
しょ?」
突然、同意を求められたアマトは戸惑っていた。
たしかに死神のことが少しでも分かれば今まで殺人の心意やなぜアル達が特別扱いす
るのかがわかる。
しかし今いる現状を考えるとこれ以上ここの人達に迷惑かけるわけにはいかない。
「フウ…。死神のこと知りたいのは俺も同じだ。でもこれ以上聞いても同じだろ
う…。しばらく待ってみないか?」
しばらくその言葉を聞いた風は黙ったままアマトの座っている隣の椅子に腰掛けた。
「…早く死神戻ってこないかなぁ…」
風は机に頬杖を付きながらボソリと小声で呟いた。
「なぁ…フウ。死神がもし残酷な性格だったらどうする気だ?そのセカンドやら
ファーストじゃなくて、あの詩のように殺戮を繰り返す人間だったら…。」
フウは思ってもみなかった質問にしばらく考え込んだ。
アマトの兄を殺そうとまでした死神が本来の性格だったら、自分はどうしたらいいん
だろう。
二人は黙ったまま死神のことを考えていた。
アマトの方から結論を出そうと風に話し掛けようとすると突然、屋敷一帯に爆音が鳴
り響いた。
「!?。今度は何が起きたの?」
たて続きに起きる不可解な出来事。
しかも爆音は一度ではなく連続して起きていた。



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