Death
―88―
「なっ!?何だ!!放せ!!」
アマトは死神の腕でバタバタと暴れた。
「………いいのか…?今離したら地面に叩きつけられるが…」
「………え!?…!!!うあぁぁぁぁ!!!」
ファウストからセカンドに人格交替した死神はふざけてパッと手を離し、落ちるアマトの手首を支えた。
「急に離すなよ!!!!死ぬかと思った…」
両手でガッシリと死神の片手を掴み怒鳴りつけたが、死神はまったく謝罪の行動は現さず、むしろまた悪さを企んでいるようだった。
「駄目だよ死神!!悪戯しちゃぁ…えっと…今はセカンド?フィフス?」
「…俺をガキと一緒にするなよ…。」
彼は呆れながら小声で呟いた。
「・・・?あ!?…セカンドだね♪最近ファストばかりであまり話したことなかったから〜♪」
彼女は久しぶりにセカンドに逢えて嬉しそうに話し、微笑んだ。
しかしアマトは死神がまた人格が代わってしまい、自分が不利な立場にあることから苛立っていた。
死神はさらにスピードを加速し、あっという間に目的地の手前である小さな名もない町へ辿り着いた。
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