Death
―10―
死神は彼女のすぐ側で泉を見つめていた。
腰まである長い髪は風になびいている。
「風邪ひくぞ」
彼女の顔を見ずに低い声で彼は言った。
「あ、ありがとう」
少女は彼が投げ付けたマントに身を包んだ。
今まで体が冷えきっていたせいか、彼が渡したマントは暖かく感じた。
そしていつの間にか不安や恐怖が消えていった。
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