カチカチ

「ありがとねぇ・・・さぁさぁあがって・・・。お茶でも出すから。」
ばぁさんは田抜が運んだ買い物袋をもって台所にいった。
「じゃぁ・・・お言葉に甘えて・・・。」
っというと田抜は靴を脱ぎ、何故か玄関にチェーンをかけた。
彼は家の居間に案内される。
「はい。どうぞ。」



ばぁさんはお茶を目の前で注ぎ田抜に渡した。
彼は湯のみに手を伸ばし一口飲んだ。
「あ・・・そういえば・・・。今日買った秋刀魚冷蔵庫に入れなくていいんですか?くさってしまいますよ。」
彼は微笑みながらゆっくりとくつろいでいた。ばぁさんもついその微笑につられて微笑み、
「そうね・・・ちょっと待ってて」
っと田抜を居間でゆっくりくつろぐように言うと急いで台所に向かった。
「田抜さんってホントにやさしい青年・・・わたしにもそんな孫がいたら・・・そうだわ、確か棚に・・・」
ばぁさんは棚に向かおうと後ろを振り向こうとすると、突然背後から口を抑えられた。
「!!!!!」
口をふさがれたばぁさんはしゃべることが出来ず、もごもごさせる・・・。
背後から聞きなれた言葉で
「悪く思うなよ・・・」
っと言われると首筋に激痛が走る。
・・・・この声は・・・・
果物ナイフからはばぁさんの血がポトポトと落ちていく・・・。
「ふふふふふ・・・。今日はまた変わった味が楽しめそうだ・・・」
まるでもう別人と化した田抜は屍となった彼女の太ももを引きちぎり、タッパに詰めた。
「さて・・・証拠隠滅でもするか。」
彼は自分が飲んでいた湯のみを洗い、冷蔵庫から今日買った秋刀魚を取り出し大きな中華なべにいっぱい天ぷら油を注いだ。そして、あたかも食事を作っている最中に燃え移ったかのように火をともした。
そして家の後ろの人目につかない窓から逃走した・・・。


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