闇の歌

―8―
冷たくなった母を抱き、闇に包まれた山道を歩く・・・。
僕は母が死んだとは思いたくなかった。

まだ生きていると思いたかった。

城に行けばきっとまた僕の名前を呼んでくれる・・・。
また無理して畑を耕していて欲しい・・・。

僕は必死に山道を降りて行った。

何かが違う・・・嫌な予感がする・・・。
僕の他にも足音が聞こえる・・・
僕の他に誰かが・・・

次へ
TOP