闇家(71)
三人は揃って屋上を後にし、そして歩き出す。
忍と志穂のこと。それぞれが消化し、前向きに生きていくのだ…
屋敷は、一夜で焼け落ちた。もちろん、一輝たちがたまらず火を放ったことによるものだ。
しかし、彼らは忘れていた。屋敷の地下が石造りだったことを。
そこに、あの二人はまだ存在していた。
生きているという表現は当てはまらない。彼等はすでに肉体を失っていたから。
しかし、彼等はそこにいる。
恐らく、次の機会を待つため。
焼けこげた忍と志穂の肉体を借りて…
終
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