闇家(65)

相変わらず冷笑のまま、婦人は忍を見おろす。その肩に置かれた手は氷のように冷たかった。

そして、婦人はゆっくりとその手を離していく…
三人は忍の姿が二重に重なっているのを見た。
婦人が手を引き上げるにつれて、半透明な忍はゆっくりとその場で上昇していった…

「嫌あ!!忍っ!!」
初音は思わず叫んだ。
「逝っちゃ駄目!ちゃんと見るのよ!!」

「どういうことだよ!?あれは??」
「たぶん忍の魂…!あれが無くなったら死んでしまうわ!」
「そんなっ…桜井君!」



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