闇家(47)

「あっちよ。」

初音は奥へと続く廊下の逆、階段近くの壁を指した。
「え…壁の中?」
「反対側の部屋だと思うわ。入り口は無いみたいだから…まわって行かないと。」
「ひえぇ…」
敏樹は闇の向こうに目を向けて、情けない声をだした。

しばらく部屋を物色しながら歩いて、忍たちは顔を見合わせた。
「おい…どうやったらあっちへ行けるんだ?」
「確かにおかしいよな…扉が無い…?」
と、忍。
「隠し扉があるのかも…大きい屋敷にはよくあるでしょ?」
「隠し扉か。よし、探してみよう。」

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