闇家(41)
病院を出て30分後、忍と初音は待ち合わせている二人を待っていた。
みんなから反対されたものの、何とか連れ出すことが出来た志穂は、忍の背中で荒く息をしていた。
真っ暗な路地の電話ボックスに、鳩山一輝と蔭山敏樹がやってきたのはその5分後だった。
「待たせたな!」
勢い良く現れた一輝に比べ、敏樹はゆっくり自転車のペダルから地面へ足を下ろす。
「なあー…やっぱり良くないよ、今日はさ。もう9時が近いし、明日でも」
「バカっ!泣き言いってんじゃねえよ。森野が危機なんだぜ、少しは助けようとか思わないのか!?」
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