闇家(4)
「志穂、目開けても平気だぞ。」
忍は腕にしがみついた志穂を無理矢理引き離した。志穂はようやく自分の目で館の中を見回した。
館の中は日中で割と明るかった。広い玄関ホールは天井が二階へ吹き抜けになっており、一面ほこりに覆われた絨毯が正面の窓から射し込む陽射しに照らされていた。
豪華なシャンデリアはかろうじて天井にぶら下がっていた。中央の階段は所々に穴があった。
大きな蜘蛛の巣も無数に張り巡らされている。その主はどうやら不在のようだが…。
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