闇家(34)

「ちょっと考え事をね。呼び出して悪かったな。」
忍は苦笑した。
「ほんとよ。貴重な昼休みなのに。…で、話って?」
安部初音とは小学校が同じだった。今はクラスがだいぶ離れてしまっているが、それでもたまに話すくらいのことはある。彼女には、人には無いちょっとした‘能力’があるのだ…。
「まあ、何となく察しはつくけど。」
初音はそう言いながら近づいてきた。起き上がった忍の前に腰を下ろす。
「ああ…実はさ、」
「ちょっと待って。」
「あ?」
初音が急に目をつぶり険しい表情になる。

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