闇家(22)

「何にも覚えてないのか?」
忍はとにかく志穂を問いつめた。
「私…何かしたの?」
志穂は少し焦って聞き返す。

ハー…

「いや…覚えてないんなら」
と言って、忍は歩き出した。志穂はそんな忍を引き止めて、
「何なの?言ってよ、何?」
「え・でも」自分に絞め殺されそうになった。何て言えるはずがない。

ハー…ハー

「…忍…」
「聞かない方がいいよ、うん。」
忍はまた歩こうと前を向いた。

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