闇家(15)

二人の間に重い沈黙が流れた。それからしばらくして―
「いや、きっと出られるよ。」
忍が思い切ったように話し出す。
「志穂さ、妖精像の前で何かしてたよな?その後壁が動いたんだよな。」
「…あ、うん。妖精のネックレスに青っぽい石があってね、気になってさ…それに触ったら…」
「仕掛け扉が現れたんだな?」
忍は暗闇でもわかるほど喜んでいた。志穂はまだ話が飲み込めていない。
「それが、何なの?」
「だから、その石が仕掛け扉のスイッチなんじゃないか!」

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