真夜中の幻想
真っ暗な部屋の中、少女は突然身を起こした。いつもなら半分腐れた木製のベットがきしむはずが、今夜はやけに心地良い。
外の明かりが差し込むと、ほこりまみれの屋根裏部屋は、いつの間にか美しい宮廷の一室に変わり、見たこともないような食べ物達が少女を囲んで匂っていた。
少女は、驚き戸惑った。慌てて外へ飛び出すと、少女の期待とは裏腹に、やはりいつもの薄汚れた建物が、月明かりを背景にぼんやりと立っていた。
『そうか、今日はクリスマスなんだ…』
少女は静かに空を仰いだ。星空は少女を見つめ、いつまでも輝いていた…
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