予知夢
-25-
「…このまま降下して町へ下りるぞ。」
男はそう言うと、恐怖にすくんでしまった私の体を抱きかかえた。為す術のない私は、抵抗するわけにもいかない。
そのままの状態で、さらに加速をつけ私たちは落ちていった…
いよいよ地面が近づいてきた。私は堅く目を閉じ、息を呑む。
(こんなところで死にたくない…!)
「……っ」
トンッ
と、軽い衝撃があった。
「……?」
目を開けると、小さかった町並みはすっかり実物大で存在している。それだけで、私たちは無事に着陸していたのだ。
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