予知夢
-11-
襲、という人はそのまま去ってしまった。
私の後ろでは、まだ大音響で水音が鳴り響いている。私の育った町が、全て押し流される…
半ば放心状態になりながら、私は山を下りはじめた。今はみんなは無事という言葉を信じるしかない。
早く会わないと…

山の裏手には、谷川の町の住民ほとんどが集まっていた。
「安曇!」
私の姿に気付いた香月が走り寄ってくる。
「無事だったんだ!ここにいないから、もしかして取り残されたんじゃないかって…」
香月は無事だった…。私は一先ず胸を撫で下ろした。


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