何日も降り止まない雨……梅雨。

傘を忘れた少女は、ただ、ゆっくりと、俯いてその空間を歩く。

足にまとわりつく、水の感触。

無邪気な子供たちの声。

暗い空。

暗い心。

雨に抑えつけられ、浮き上がれない気持ちはそのまま、静かに沈んでいくばかり。

そして顔をあげた少女は、涙を流していた。

それは、降り続く雨と混じり、子供たちにも、誰にも気付かれることなく…。

やがて晴れた雨跡は、彼女の想いを遺していた―


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