青龍伝・蜃気楼
冷たい海は二人を包み
降り続ける雪は静かに
二人の元に積もる
孤独で押しつぶされそうな
天界の君の元へ
今すぐ私は駆けつけよう
私の大好きな海を捨てても
君のことが大切だから
降り続けるマリンスノーは
二人の悲しみを埋めていく
私の瞳はただ海面を見つめ
自らの胸を爪で突いた
薄れゆく意識の中でただ君の手を握り
降り注ぐ海の雪の中で
私は君の蜃気楼を見るだろう…
(完)
TOP