Knight

―20―
一方クレージュは街の商店街へ向けて歩いていた。街はまだ活気を失う時間ではないようで、街には男達が酒場や道ばたにたむろしていた。 慣れない街で、クレージュは薬屋を探すのに手間取っていた。…いや、むしろ夜の商店街で、クレージュを誘う酒場の女性達に心を半分奪われていたと言ったほうが正しいだろうか…。
それでも、なんとか薬屋にたどり着いたクレージュは、必要な薬を買って急いで宿への道を歩いていた。
「ずいぶんと、急いでいますね、クレージュさん。」
聞いたことのある声に驚き、振り返るとそこにはハクロウ立っていた。

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