Knight

―2―
「なにそんな後ろを気にしてるんや?」
後ろを気にするクレージュの態度に誘われるように、シゲンも後ろを振り向く…。すると、一人の旅人が二人の方に歩いて来るのが見えた…。
「…おなごか?」
「にしては、背が大きいやろ…」
旅人を見ながらクレージュとシゲンは互いに牽制しあっている…。 もはや彼等には道を間違えたかどうかよりも、旅人が女性ならどう相手より先に声を掛けようかのほうが重要であった。
二人の沈黙をよそに、草原を走る街道をゆっくりと旅人は歩いて来た。

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