喰らう者
―12―
「別にいい…怒る程の事でもない」
温厚なコージを演じている……つもりだった、しかし実の所全く怒るという感情が出てこなかったのだ…まるで忘れてしまったかのように…。俺は肩をおさえながら自宅へ向かう…。
ガチャ…。
「ただいま」
…階段を上がり部屋に入る、カバンを放り投げベットに倒れ込んだ。
「フーッ…どいつもこいつも……ん?そう言えば…喰らう者が静かだ…おい!」
「………」
返事がない…。
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