暗躍の蝙蝠

―8―
彼が通った後には白い靄のような物体が床に落ちている。
一番気配の強い部屋の前まで行くとそのままの勢いで扉を蹴り破り中に入る。
その部屋は今までとはうって変わって、きちんと整った部屋だった。
「ようこそ…」
真ん中にいた男性が彼を出迎える。長く腰まである金髪。髪を縛っているリボンと同じ色の青い目。真っ白なシャツに対象的な真っ黒なズボンその姿は貴族を思わせる姿だった。
「あなたはエクソシスト?牧師?神父・・・?私を消しに来た人間ですか?」
彼は開いていた本をパタンと閉じ机の上に置いた。

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