暗躍の蝙蝠

―52―
アデルは無理矢理にでも叩き起こそうとしたが、何をやっても結局スペリスが目覚めることは無かった。
「アル様・・・彼女にはスペリスを目覚めさせることは不可能だと思いますが・・・。」
「・・・何か案でもあるのか?」
アルバは今まで読んでいた本を閉じスペリスの側まで近寄った。
「えぇ、ひとつだけ・・・。うまく事が運ぶかわかりませんが・・・。」
彼はそう答えるとスペリスを屋敷の地下まで運ぶようにアルに頼んだ。
地下には今まで見たことも無い鉄の塊が無造作に置いてあった。


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