暗躍の蝙蝠

―46―
闇の中、消滅の門だけが銀の光を発していた。
番犬ケロベロスの体から出る青い炎でアル達の周囲だけが明るく見える。
アデリーヌよりも早く辿り着いたようで彼女の姿は見当たらなかった。
「アル様…。まだ彼女は来ていないようですが、どうなされますか?」
アルバは何も行動を起こさないアルに対して問い掛けた。
「あの門を破壊する。」
突然のことにアルバは動揺する。
「なっ……何を…。そんな事したら始末書ですよ」
「たかが始末書だろう…。その始末書を扱っているのは誰だと思う?」


次へ
TOP