暗躍の蝙蝠

―24―
二人が歩くスピードに合わせ廊下のランプがひとりでにつき、道標のごとく二人を誘導する。その明かりは途切れることはなく規則正しく二人の間を明けながら城の中央部に位置するホールに辿り着いた。
「おまちしておりました。」
どこからともなく女性の声がホール全体に響き渡った。
「アデリーヌか!?」
スペリスはその声に敏感に反応し、彼女の名を呼んだ…
しかし彼の声は彼女に届くことはなかった。彼女は目の前にある扉から表れ、コッコッと足音を鳴らせ二人の前に姿を見せた。


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