暗躍の蝙蝠
―22―
徐々に彼の歩くペースが速くなっていく。つられてスペリスもペースに合わせる…。
アデリーヌやっとあえる…
そしてアル様に何とかしてもらえばきっともう離れることはない…。
気持ちを抑えようとするが、自然と前へ前へと足が勝手に進んでいく。
「着いたぞ。」
アルが今まで閉ざしていた口を着いたことをスペリスに伝えると、その異様なほどの気配に彼は言葉を失った。
薄暗く覆う森の中に一つポツリとそびえ立つ城は今にも潰れそうなくらいボロボロになって今にも潰れてしまいそうだ。
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